2011年10月01日

小惑星イトカワ


一ヶ月後


ミネルバ「イトカワまだかよ。後何年、何日、何時間航行すりゃ着くんだ」

はやぶさ「もうそろそろだと思うんですが、なにせ小さい惑星なので見逃さないよう注意しましょう」

ミネルバ「ふん、時にはやぶさ。宇宙はいつ生まれたか知ってるか」

はやぶさ「え? そりゃアレでしょ。ビッグバンが起こった時でしょ」

ミネルバ「150億年前。そこから時間も流れ出し生命も神も存在を開始した」

はやぶさ「誰かの仮説?」

ミネルバ「仮説じゃない。有力な仮説さ」

はやぶさ「やっぱ仮説なんだ。。じゃあその前は何があったの?」

ミネルバ「それは知らねーし、仮説も科学者が納得するための妥協策で正解かは怪しいもんさ

はやぶさ「宇宙の神秘ですね」

ミネルバ「科学と神秘は対極だぜ。つーか、私は科学者じゃないから更に進んだ仮説を立てるね! 宇宙と言いながら巨人の腹の中かも知れねーと私は考えるね

はやぶさ「それは奇天烈すぎますよ」

ミネルバ「んにゃ、地球が巨人の一細胞かも知れないし、人間はそこに寄生してるサラダ虫かも知れねーぞ。腹の中から出たら、そりゃ全然違う世界が広がってっかも」

はやぶさ「ブラックホールから出る気ですか? 僕は遠慮します」

ミネルバ「ブラックホ−ルねえ。あれは正確には穴は空いてない。凝縮されまくって超重力を得た何かだ。私の仮説になぞらえれば、癌だな。ブラックホールが増えたら私達の母体たる巨人は死ぬ。当然私達は全滅だ」

はやぶさ「死にたくないよ!」

ミネルバ「だから仮説だって。それにずっと先の話さ。まだまだ時間はある」

はやぶさ「そういえば時間てずっと続くの? 150億年前からも流れてるんじゃないの?」

ミネルバ「時間てのはしょせんは概念だ。確固たる質量を有して存在してるわけじゃない。そんなの考えるだけ正に時間の無駄だ」

はやぶさ「・・・・・・」

ミネルバ「ん、ちょい難しかったか」

はやぶさ「・・・・・・」

ミネルバ「おい、返事ぐらいしろよ!」

はやぶさ「あ。あれ、あれ星なの? あれがイトカワ・・・」

ミネルバ「いやーあの形――予測と少し違うが、イトカワだろ!」






2005年 9月 12日

出発から二年四ヶ月



マヤ「はやぶさから入電! いとかわを捉えました」

川口「メインモニターに回せ!」



中央スクリーンに浮かび上がる惑星イトカワ

83031-00008.jpg
(イトカワの画像



リツコ「まさかこれがイトカワなの」

ミサト「これ・・・ラッコ。。」

マヤ「はやぶさからに情報を分析します
    直径およそ500M。自転周期は12時間
    大岩の点在は確認できますが、クレータが見当たりません」

真田「馬鹿な! クレーターが無い惑星だと! しかもこの形状、どこに着地できるんだ」

リツコ「星はすべからく丸いはずなのに。なんなのイトカワ」

ミサト「いんや火星にも丸くない惑星が・・・」

リツコ「お黙り!」

ミネルバ「今頃世界中の科学者が、ラッコ写真見て腰抜かしてんぜ」

はやぶさ「ぼんやりしか確認してなかった小惑星が実際あったんだからね」

ミネルバ「そこに到達した日本技術も凄いが、この丸くない星ってのがだな」

はやぶさ「別にあの形が自然なんじゃないの」

ミネルバ「違うね。星に限らず全てのモノは時間と共に丸くなってゆくもんだ。シャボン玉見てりゃ分かり易いだろうが。人だって年とりゃ丸くなってゆくだろーが」

はやぶさ「作者の上役は年とってるのに丸くなってないです」

ミネルバ「そこだ。つまりコイツは非常に相手しづらいと予想される」

はやぶさ「だからこんなに入念なランデブを行ってるわけですね。てかもう半月」

ミネルバ「連中も予想外ばかりで、どこに着地すりゃいいとか計算し直してるんだろ」

はやぶさ「そろそろカプセルちゃん起こした方がいいかな」

ミネルバ「いやー、まだだ。あいつうるせーしよ」

はやぶさ「ああああああああああああああ!」

ミネルバ「だからうるせーって! 何だよいったい!」

はやぶさ「リアクションホイールが・・・止まった」

ミネルバ「ちょ! 前にも同じ事言わなかったか?」

はやぶさ「つまり・・・三台中、2台が停止」






マヤ「X軸に続いてY軸のリアクションホイールが停止。残るはZ軸のみ」

リツコ「まずいわね。これからって時に」

真田「前回同様ガスで姿勢を整えるようプログラム出せ」

リツコ「しかし、大丈夫なんですか」

川口「プログラム終了後、はやぶさを700Mまで接近させろ」





はやぶさ「いよいよ、降下チェックの最終段階だね」

ミネルバ「もう大丈夫なのか。万が一が起こらないよう万全の態勢で頼むぜ」

はやぶさ「大丈夫ですって、まずは目印とするターゲットマーカーを投下!」

ミネルバ「よーしいけーー!! っておいいい外してんぞ世界中の応援して下さってる人の名前88万人の個人情報が宇宙流出じゃなーか!」

はやぶさ「うーん、角度が甘かったかな。まあ予備弾まだあるし、次は70Mまで接近してやるからまず大丈夫」

ミネルバ「大丈夫って・・・次は私なんだぞ」

はやぶさ「今ので改めて計算できたから、ちゃんとミネルバさんを先行降下させてみせるって」

マーカー.jpg


ミネルバ降下に続く


posted by はやぶさ at 22:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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